腰痛はストレッチで改善できます。予防もできます。
でも、腰が重い時や痛い時に、複雑なストレッチや時間がかかるストレッチはしたくないですよね。
そこで、簡単に、そして、短い時間でできる「腰痛改善・予防」のためのストレッチを徹底的に調査しました。
その結果、
- 寝たままでできるストレッチ
- 椅子に座ったままでできるストレッチ
- 立ったままでできるストレッチ
を見つけましたので、ここで紹介します。
それから、ストレッチなどのセルフケアをする前に、まず、病院で診てもらったほうが良い腰痛についても、最後に紹介します。
Contents
腰痛は簡単なストレッチで改善するの?
腰痛で病院を受診する人のうち、約85%の人は腰痛の原因が不明だそうです。
原因が不明の理由は、
- 腰の骨に痛みの原因になるような異常がない
- 腰痛を引き起こすような病気がない
ということです。
そして、この原因のわからない腰痛の多くが、
- 悪い姿勢、利き足の酷使、長時間同じ姿勢によって腰とその周りの筋肉に負担がかかって、筋肉が炎症を起こす
- ストレスにより、自律神経のバランスが崩れて、腰痛を引き起こす
と、考えられているそうです。
ストレッチは、原因のわからない腰痛の改善、そして予防に効果があります。
・東京大学の運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座HP
・山口正貴・高見沢圭一・原慶宏・後藤美和・横田一彦・芳賀信彦「慢性の非特異的腰痛患者に対する4種のストレッチング介入効果ー初回評価におけるdirectional preferenceによるサブグループ化の検討ー」『理学療法学』第44巻第6号440-449頁(2017年)
寝たままでできる腰痛改善ストレッチとは?
オススメの寝たままできるストレッチは、東京大学医学部付属病院リハビリテーション部の理学療法士山口正貴先生が提唱するねたままストレッチです。
NHK「ガッテン!」でも「4つの最強ストレッチ」として紹介されました。
ねたままストレッチは、
- 1日1回
- 1回10秒を3セット。慣れてきたら、1回30秒を3セット
と、短い時間で、4種類のストレッチを行うことができます。
山口先生によると、入浴後から就寝前に行うのが効果的だそうです。
以下でストレッチの方法を解説します。
腰痛は自分で治す「ねたままストレッチ」OurAge(集英社)2017年8月31日付
に大変にわかりやすいイラストが掲載されているので、引用させていただきます。
「ねじる」ストレッチ
まず、最初は、身体の側面の筋肉を柔らかくする「ねじる」ストレッチです。
3種類ありますが、
- 1ができるようになったら2
- 2ができるようになったら3
というように、進めていきます。
左右交互に行ってください。
1.
(1)両手を床につけたまま、仰向けに寝て両ヒザを立てます。
(2)両ヒザをくっつけたまま、左に倒します。ヒザが床につくのが目標です。
(3)10秒たったら、今度は右に倒します。
(4)(1)から(3)を3セット行います。
(5)両ヒザをくっつけたままこのストレッチができるようになったら、2に進みます。
2.
(1)右腕を上げて、両ヒザをくっつけたまま両ヒザを左側に倒して、引き上げます。左手をヒザに添えます。
(2)10秒たったら、今度は左腕を上げて、両ヒザを右側に10秒間倒します。
(3)(1)から(2)を3セット行います。
(4)両ヒザをくっつけたままこのストレッチができるようになったら、3に進みます。
3.
(1)右腕を上げて、両ヒザをくっつけたまま両ヒザを左側に倒します。右の足を引き上げ、左の足をまっすぐ伸ばします。左手を右のヒザ に添えます。
(2)10秒たったら、今度は左腕を上げて、両ヒザを右側に倒します。左の足を引き上げ、右の足をまっすぐ伸ばします。右手を左のヒザ に添えます。
(3)(1)から(2)を3セット行います。
(4)ピンクの斜線の部分が斜線の部分が伸ばされているのを感じてください。
「タオル」を使ったストレッチ
「タオル」ストレッチは、フェイスタオルを使います。
ふくらはぎと太ももの裏の筋肉を柔らかくして、股関節の可動域を広げるストレッチです。
1.
(1)仰向けに寝て、両ヒザを立てます。ヒザを立てるときは、片足ずつ立ててください。
(2)タオルの両端を持って、すねにかけます。
2.
(1)左の足のつま先をタオルに引っ掛けます。
(2)右足は立てたままにします。
3.
(1)天井に向けて、左足を伸ばします。
(2)腕の力で左足を引き上げて、少し痛みを感じるところで止めて、そのまま10秒間静止します。右足は立てたままにします。
(3)次は、同様にして、右足を伸ばします。
(4) (1)から(3)を、3セット繰り返します。できるようになったら、4に進みます。
4.
(1)仰向けに寝て、両ヒザを立てます。
(2)タオルの両端を持って、すねにかけます。
(3)左の足のつま先をタオルに引っ掛けます。右足は立てたままにします。
(4)天井に向けて、左足を床と垂直になるまで伸ばします。
(5)右足を伸ばして、そのまま10秒間静止します。
(6)次は、同様にして、右足を伸ばします。
(7) (1)から(6)を、3セット繰り返します。ピンクの斜線の部分が斜線の部分が伸ばされているのを感じてください。
「まげる」ストレッチ
「まげる」ストレッチは、腰とお尻の筋肉を柔軟にして、腰椎をまげる可動域を広くするストレッチです。
1.
(1)仰向けに寝ます。
(2)両ヒザを立てます。ヒザを立てるときは、片足ずつ行います。
2.
(1)頭をつけたまま、まず、右のヒザを右の手を使って抱えます。
(2)次に、左のヒザを左の手を使って抱えます。
3.
(1)できるなら左右の手を組んで、両ヒザを抱えて静止する。
(2)10秒たったら、片足ずつ下ろす。
(3)3セット繰り返して、足や腰に痛みを感じなければ、4に進む。
4.
(1)仰向けに寝て、両ヒザを立てます。ヒザを立てるときは、片足ずつ行います。
(2)頭をつけたまま、両ヒザを両手を使って抱えます。抱えるときも片足ずつ行います。
(3)反動をつけないで、両方の太ももを引き寄せて胸につけます。
(4)静止して10秒たったら、片足ずつ下ろす。
(5)3セット繰り返します。ピンクの斜線の部分が斜線の部分が伸ばされているのを感じてください。
「まんが」を読む姿勢のようなストレッチ
「まんが」を読む姿勢のようなストレッチは、お腹と太ももの前の筋肉を柔らかくして、腰椎を外らせる可動域を広くします。
1.
(1)うつ伏せになります。
(2)ヒジが肩の真下に来るようにして、ヒジを立てます。
(3)深呼吸して首、肩、腰、お尻を脱力します。
(4)そのまま10秒静止して、うつ伏せに戻ります。
(5) (1)から(4)を3セット繰り返して、足や腰に痛みを感じなければ、2に進む。
2.
(1)うつ伏せになります。
(2)ヒジが肩の真下に来るようにして、ヒジを立てます。
(3)ヒザを曲げます。両かかとはくっつけます。
(4)深呼吸して首、肩、腰、お尻を脱力します。
(5)そのまま10秒静止して、うつ伏せに戻ります。
(6) (1)から(4)を3セット繰り返して、ピンクの斜線の部分が斜線の部分が伸ばされているのを感じてください。
立ったままできる腰痛改善ストレッチとは?
オススメの立ったままできるストレッチは、東京大学医学部付属病院22世紀医療センター運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座特任准教授の松平浩先生が提唱する「これだけ体操」です。
立ったままできる「これだけ体操」は、
- 腰を反らす体操
- 腰を横に曲げる体操
の2種類だけです。
腰を反らす体操は、
・腰痛改善目的の場合は、1回3秒 x 10回
・腰痛予防目的の場合は、1回3秒 x 1~2 回
で、OKです。
腰を横に曲げる体操は、
・1回5秒 x 3~5 回
で、OKです。
腰を反らす体操
腰をそらす体操は、
- 椅子に座ったまま前かがみで作業を長時間した後
- 重い荷物を持った後
にすると効果的です。
(東京大学の運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座HPより)
(1)足を肩幅よりやや広めに開いて立つ。
(2)両手を、腰の横ではなく、お尻の上に置いて、両手を支点にして腰をしっかりと反らす。骨盤を押し込むイメージです。
(3)息を吐きながら、そのままの状態を3秒間保つ。この時、ヒザはできるだけ伸ばしてください。
(4)腰痛予防目的なら、(1)から(3)を1 - 2 回繰り返す。
腰痛改善目的なら、(1)から(3)を10回繰り返す。
腰を横に曲げる体操
腰を横に曲げる体操は、腰の左右どちらかに違和感があるときにオススメです。
(東京大学の運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座HPより)
(1)安定した壁のそばで、足元が滑らない場所に立つ。
(2)手のひらからヒジまでを、肩と同じ高さで壁につけて、腰を壁に向けて曲げる。
(3)(2)を右と左両方行う。違和感を感じて曲げにくい側があれば、(4)に進む。
(4) 違和感を感じて曲げにくい側で(2)を行う。ゆっくりと息を吐きながら徐々に曲げ、靴いと感じるところまでしっかりと曲げる。5秒くらい。
(5)腰の左右で違和感の差がなくなるまで繰り返す。3~5 回が目安です。
椅子に座ったままできる腰痛改善ストレッチとは?
上で紹介した「これだけ体操」には、椅子に座ったままできる体操もあります。
- ヒールの高い靴で立ち仕事の多い女性
- 妊婦さん
など、腰に反り気味の負荷がかかる人にオススメです。
1回3秒を1~2回繰り返すだけでOKです。
(東京大学の運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座HPより)
(1)椅子に腰掛けて、足を肩幅より広めに開く。
(2)息を吐きながら、両足の間に、ゆっくり背中を丸めていく。
(3)床を見ながら、3秒間そのままの姿勢を保つ。1~2 回繰り返す。
病院に行った方が良い腰痛は?
上で紹介したストレッチは、原因不明の腰痛でお悩みの場合に有効です。
しかし、腰痛の中には、直ちに病院(整形外科)に行くべきものもあります。
ここでは、すぐに病院で受診したほうがいい腰痛を紹介します。
日本医科大学病院教授の宮本雅史先生によると、
- 神経障害(脚に麻痺やしびれがある、排尿や排便のトラブル等)を伴っている
- がんと診断されたことがある
- 骨折を繰り返している
- アレルギー疾患などで、ステロイド剤を長期間服用している
- 動作や姿勢によって、痛みに変化がない
- 38~9 度の高熱がある
以上のような場合の腰痛は、すぐに病院で受診した方が良いです。
こういう場合は、ストレッチなどのセルフケアはせずに、すぐに病院(整形外科)に行きましょう。
まとめ
簡単に、そして、短い時間でできる腰痛改善・予防のためのストレッチを紹介しました。
- 寝たままでできるストレッチ
- 椅子に座ったままでできるストレッチ
- 立ったままでできるストレッチ
は、どれも気軽にできるものばかりです。
私も試してみましたが、難しい動きがないので、すぐに覚えられて、時間もかかりません。
こんなストレッチなら、毎日続けられそうです。
腰痛にお悩みのあなたに是非オススメします。
そして腰痛は、マットレスで改善させることもできます。
腰痛に効くマットレスについては、「腰痛に効くマットレスを探している方におすすめはどっち?口コミで評判の雲のやすらぎとモットンを比較しました」で解説していますので、参考にしてください。